浦賀道を歩く(2) 大津〜鎌倉

3月末に十三峠回りの浦賀道を歩いたので、今度は西回りを。




京急大津駅前、東回りと西回りが出会う追分からスタート。



この先、阿部倉までの横須賀市域の古道沿いには、交差点等にこのような物があるのだが、設置場所からして明らかに戸塚・鎌倉方面からのウォーカーに向けてのものであり、浦賀方から歩く者にとっては然程役に立たない。
そのせいにするわけではないが、この先何度か迷って古道を外れる事になる。




県立大津高校や大津公園でぶった切られている部分を現道で移動し、古道に復帰した所で早速現れる天神坂。これを上り切って突き当たると道は左に折れ、まもなく市営アパート脇に庚申塔群が現れる。右から7つ目が最も古く、天明八(1788)年十一月の物だという。



旧道らしい緩やかのカーブ。



県立横須賀高校の近くにまたも庚申塔群。一番左は市内最古の庚申塔で、寛永十六(1639)年建立らしい。



渋滞の名所である衣笠十字路をバイパスする形で、その先の三浦高校の手前で県道27号に合流するも、200m先のJR横須賀線高架下にある金谷交差点で左へ。



更に平作大橋(といっても2車線・全長20m程の小さな橋)を渡ってすぐの細道を右に入ると、この伝馬場坂を皮切りに、三浦半島の鞍部を横断する峠道へと入っていく。



坂を上りきった辺り。ここから池上小学校前まで気持ち良く下る。



と、池上小前の道に出てすぐに右斜めに入らなければいけない所を見落としてズンズン進んでしまい、衣笠しょうぶ園の手前まで来た時に異変に気付いた。阿部倉の団地に上って行く坂の手前に復帰する。



横須賀ICから久里浜方面に向けて近年整備された新道の阿部倉トンネル上を古道が通過する。おかん塚の坂である。



坂を上り切った所・御園幼稚園前で浦賀方を振り返る。戸塚方から来るとここで迷いそうだが、一番右がおかん塚の坂へと下りていく道だ。



住宅地の間を進む古道が行政の境になっているので、向かい合う家の住所が違う。左が横須賀市阿部倉・右が葉山町木古庭。この少し戸塚寄りが東京湾相模湾分水嶺となっており―



道は再び気持ち良い下りになる。この竹林の手前にある地蔵の脇に腰掛けた初老の女性が、近所の人と井戸端会議をしていた。



道は町営農場の間を貫いた後で県道27号と再び出会い、不動橋で下山川を渡る。




不動橋の先で県道から少し右に逸れた後、木古庭駐在所前交差点で県道を横切り、住宅の間に消えていく。構わず進むと―



実にナチュラルな道が。一応これでも、神話の時代から家康が江戸を整備するまでの永きに亘り、実質的に東海道として機能してた道なのだが…



屈んだり半身ななったりしないと通れない場所も。まぁ“古道”な訳だし、通れるだけマシか。



上山口橋の手前で右へ下る旧道に入る。日露戦争の記念碑やら供養塔やらが路傍に建っている。



湘南国際村入口交差点で県道に復帰。その後、滝の坂の旧道と思われる道に分け入るが、途中で茂みに阻まれ進めないので、大人しく県道に戻って峠を越える。
一色団地内で2度ほど軽く右に逸れた後、一色小学校前の信号を右に入る。



葉山小学校まで風情のある小路が続く。この場所は左へ。



葉山小前で国道134号に合流した所で振り返る。ここも戸塚方から来たら面食らうだろうが、古道は5本あるうち右から2番目。



葉山小の西脇の旧道ある子守地蔵尊。道標には「左 やま屋 右 うら賀」とあるが、“やま屋”ってどこ?
国道に戻ってすぐ、図書館入口の信号を左へ。
葉山元町交差点を右折した先で一瞬右に逸れる旧道脇に六地蔵があるが、ちょうどここを通りかかったとき、花束を備えている人がいた。地蔵にかけられている巾着も色褪せておらず、大切にされている様子が窺える。



大津から19271歩目、遂に相模湾が見えた。土曜日とあってレジャー客が多い。




渋滞する渚橋交差点を抜け、その1本上流の富士見橋で田越川を渡ると、古道は久木郵便局前で県道311号に合流するまで直線的に延びる。



県道に合流後、700m程先の久木新道バス停の横を左に入ると―



いきなり凄い坂。

そして上り切った所から見下ろしてみる。この区間県道やJRも僅かながら上り坂になってるはずなのだが、久木新道バス停から高々600m程度の道程で、それらとこれだけの高低差がつく。



小坪の住宅地の北端で舗装道が終わり、名越の切通しへと入っていく。



たまらん山道っすなぁ。(ぁ



と、すぐに切通しの最も狭い箇所に到達。ここは崩落の危険があるので、しばらくの間迂回路を通らされていたと聞いたが、もう工事は終わったようだ。



逗子と鎌倉の市境付近から下り坂に転じるが、随所で道幅いっぱいにぬかるみが広がっている。慎重に歩いていたが、中盤で1ヶ所、思いっきりぬかるみに乗ってしまった。ただでさえ下りで勢いがついてしまっている状態なので一瞬にして足が取られたが、ここで尻餅でも付いたりしたら大惨事なので、右足のズボン裾と靴のみを犠牲にして踏み止まる。
18km歩いてきた状態で無理な力をかけた為、この時反対の左足底筋群が攣るが、委細構わず道が乾いている安全な場所まで下りた。



鎌倉の街が見えてきた。



名越坂踏切を渡った辺り・鎌倉市大町5丁目の街道沿い。
この後1度右に逸れた後、下馬交差点の前を入り―



鎌倉・若宮大路に到着した。大津からジャスト4時間、26755歩の道程。