試合が終わって(反転)

何か今まで張っていたものがフッと解かれる感覚がした。



東京キャンパスに来てからの2ヶ月、部活は私に、弱い自分、ずるい自分と対峙することを余儀なくさせた。
「オレ、訳分かんないしヘタレだから…。」
普段どんなに呑気に能書き垂れていても、いざ真っ向から直視させられると流石にしんどい。



自分を必要以上に守ろうとして、空回りした挙句に自分のみならず他人まで傷付けることを知る。結局は単なるバカじゃないか、俺は。




そもそも今の俺は何がしたいのか?
何か今まで思いも付かなかったような新しいことか?
人に気を遣って肝心な事を見落として醜態を晒すことか?





「辞めるのと諦めるのとでは 次の道が変わってくる」





中学の頃に聴いた、林原めぐみ"raging wave"の歌詞の一部を未だに覚えている。



今まで、自分のできる限りの事をするのが美徳であり、途中でドロップアウトするのなんてカッコ悪いと思って生きてきた。しかし、たとえは悪いが、寝たきり高齢者を介護する家族や終末期患者のように、精根果てるまで燃え尽きてボロボロになるよりも、尊厳や理性を保った状態のまま一線を越えない程度に頑張ったら、それ以上頑張るのを“辞める”勇気を持つことも大切なんだろうかと思うようにもなった。