気絶

ここ10年くらいで初めて気を失った。
ぃゃ、授業中に“幽体離脱”とかしょっちゅう(ぉ)なのだが、今回はマジで。



ここ数日の色覚異常の件で、バイト休みもらって眼科にて検査を受けた。
元来私の眼は、かに汁や醤油が飛んだだけで充血するなど、あらゆる刺激に弱いのだが、今回の検査ではまず瞼をめくり上げて眼球側に押し付けながら眼球を上下左右に動かして眼表面を見られた。この時点で加えられた物理刺激でかなりのストレス状態にあった所へ、眼底検査の為の強い閃光を左眼に受けた瞬間に失神したらしい。気付いたら医師や看護師に両脇を抱えられていて、まもなく左側頭部に打ち付けたような痛みを感じて初めて、椅子から転落したのだと知った。


動悸と過呼吸が治まってきた頃、思い出したように光刺激を受けた左眼が全く見えなくなった。無気力に「失明するのかなぁ」と思ったのも束の間、徐々に回復し、幸い正常な視力に戻った。


念のため色弱検査もしたが、この様子を見た医療スタッフは、スキーによる雪焼けだろうという確信を強めたようで、角膜を保護する点眼薬を出された。



ここで私にとって重かったのは、“こういう患者もいる”という事だ。このような事態を予期せず施術して万が一の事があったら―。
私もあと4年で“訴えられる”側の人間になる。それが無性に怖かった。