進退

「今年度中に部活に復帰するか否かを決定します。」


昨年6月に自ら定めたその期限まで、気付けばあと72時間を切っていた。秋口に部のメーリングリストから除名された時には、いよいよ腹括ろうと思いつつも括りきれず、ずるずるとここまで来てしまった。
実際のところ、あれからバイトや趣味に精を出すうち、乗るべきか反るべきかという葛藤以前に関心そのものが部活から遠のいてしまっている気がする。それは、陸上部に全く縁もゆかりもない馬術部やら弓道部やらの先輩から口々に「とにかく6年間、どの部活でも、また書類上でも良いから籍を置き続けることを勧める」と言われて、改めて考えようとした結果、気が付いたことだ。



先輩や同胞からの恩を仇で返すような事はしたくなかった。あの3ヶ月、真剣にオレという“人間”と向き合えた。普段、感動系ドラマや映画見てもケロっとしてるオレが去年1度だけ本気で心打たれて泣いたのも、あの時の先輩からのメールでだった。
だがどうやら私は、石橋を、誰でもない自分の頑固な石頭で叩き割れそうなくらい叩かないと渡れない人間らしい。