ファミリー遍路・ママチャリ遍路

室戸岬は朝8時台にしてすでにかなり暑かった。この辺りは大きな街や名所も少ないので、周りはキャンパーかツーラーくらいだ。



いや、これが四国でなければそうであったはずだと言うべきだろうか。


暑いとはいえ、昼間歩くよりマシという事なのか、この時間にしてかなりの数のお遍路さんが国道56号を歩いていた。私の乗ったバスは、4〜5分に1人以上のペースで彼らを追い抜いていく。*1
彼らも歩いてばかりではないので、随所から列車やバスに乗車してくるし、中には家族連れやママチャリに乗っての行脚さんも。若者が多いせいだろうか、型にはまらない実にバラエティに富んだやり方をする人が見受けられ、「四国八十八ヶ所巡り」が近代レジャーとしての一面を持ち始めている様子を実感できる。



室戸の市街地を過ぎながら徐々に人を集め、奈半利の手前7kmまで来た時、遂に立ち乗りが出るまでにバスが混み合ったものの、その半数以上が土佐くろしお鉄道奈半利駅前で下車。ここから出る同社ごめん・なはり線は、この先安芸市内で、奈半利の比ではない数の乗客を拾う。「赤字必至の新路線」と言われながら開業した同線が、周囲の心配をよそに黒字を叩き出した理由が何となく分かった気がした。

*1:札所の順番が徳島側からふられており、高知方面に向かう人が圧倒的に多い為。