法医学実習 初日

血液診断用に学生同士で採血する段で、いきなりミスる。
こわごわやるから針が浅すぎて血管から抜けてしまい、相手の両腕にぶっ刺しておいて、とれた血液は2mlたらず。オマケに動揺して駆血帯外さずに注射針抜く始末―。


何より、とにかく血液を採ろうと意気込むばかり、相手が異常な痛みを訴えたにもかかわらず採血を中止せずに相手を不当に傷付けてしまった事は、医療の大原則に背くことで、不器用とかそういう言葉で許される問題では済まない。


医師になろうという自分が満足に採血すらできないとか、そういう類のショックは、とうに去年の生理学実習での採血で味わっている。
今はただ、思いやりとか危機管理とか、そんな当たり前の事ができなかった自分が情けなく、それによって人を傷付いてしまった人に対して申し訳ない。