極寒の能越国境(氷見〜和倉温泉)

“寒い!寒い!”と言い続けてきたこれまでの時間が全て天国に変わる瞬間が近付く。



氷見着。ここから石川県境の「脇」へ行くバスが出ているはずだが、駅前のバス停には「脇行き」の文字は見当たらない。駅に隣接する市の観光協会の人に訊くと、2つ目の信号を右に曲がった所にあるという。




( ´_ゝ`)ふ〜ん、近いじゃん―





駅前が解けた雪と融雪用放水で一面池と化してるんですけど





もう両足とも床上浸水。寒いの気持ち悪いのなんのって…orz




で、やっと2つ目の信号から右を見ても、バス停らしいものは見当たらない。
おかしいなぁ―





あの民家の軒下に斜め15°傾いてひっそりと佇む「加越能バス氷見駅口」って書かれた鉄の看板は何ですか?





当然、この大雪の中、高岡発のバスが氷見に定刻で着くわけもなく…
待ってる間、通りすぎる車に水かけられるわ、雨(雪?)宿りした民家の庇から雪解け水が垂れてくるわ…



ようやく15分遅れできたバスに乗って、車内の暖房でひたすら浸水した靴や足を乾かし乾かし。
しかし地方の路線バスで20km近く乗って380円とは驚きの破格だ。それが加越能バスクオリティ。





17:45、定刻より16分遅れで脇に到着。18:20の七尾駅行きのバスを待たなければならない。
恐らくもの凄く寒いから少しぐらい遅れてくれた方が寧ろ有難いなぁ、と思っていただけに、これは計算通りだったが、その寒さは想像を遥かに超えていた。



裏山から海に向かって猛スピードで吹き降ろす風を凌ぐように、バス会社の倉庫やら、民家の軒下やら、反対方面のバス停のボロ待合室やら、手を変え場所を変えひたすら35分を耐え抜く。
近くにあった自販機で持てないほど熱いココアを買って、体じゅうの冷え切った所に当ててから飲もうとしたら、すでに生ぬるくなってるという始末。特に先輩は眠かったそうだが、寝たらそれこそ身が危ないという暗黙の恐怖から、2人で必死で起きた。



七尾行きのバスが到着したのは、定刻より7分遅れの18:27。乗車してまもなく、「石川県七尾市」の標識の横を通過する。脇バス停から肉眼でも確認できたこの標識を跨ぐ為に闘い抜いた42分間、なんか楽しかった。w






七尾バスの運転手は、遅れを取り戻すべくひたすら飛ばす。
途中、除雪車の後ろについてスピードダウンする事もあったが、見事な回復運転で、我々が予定していた穴水行きの列車が発車する2分前に七尾駅に着いた。


しかし、1日5本しかないバスなのに、七尾の市街地に入ってから女性が1人乗ったほかは、終始我々2人しか乗客が居なかったことには、路線存続の観点から言って一抹の不安が残る。





隣の和倉温泉で列車を降り、タクシーで和倉温泉 総湯へ。
これまた480円で入れるのは有難い。流石にタオル無料レンタルとまではいかず、購入。「無地とロゴ入り、どちらになさいますか?」と訊かれ、迷いなく「ロゴ入りで」とこたえた私。だって折角のご当地グッズじゃないすか。w